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中世の街、それはとても難解な構造物です。



最初に浮かんだ中世の建物です。街並みというか倉庫?
全然アイディアが貧困で浮かばず、こんなんでデザイン出来るのだろうかと思いました。
魅力的な街並みを作るにはどうすればいいか…。

沈黙する事、二年。
中世の、ファンタジーハウスのデザインにこだわっていた事が中世の街を難解にしていたのでした。
中世風の建物を適当に並べる…それだけでは生活感のある街並みは出来ない。
そこで気付いたのですが、その建築に対する思想は現代の土地建物に対するそれと同じではないかという事です。
もっと差し迫った金銭的な問題、賃貸と不動産物件の問題があったのです。

立地条件によって、建物の大きさや間取りが変化する、それによって物件のデザインも違ってくる。
カド地は場所的に有利で、それゆえに値段も高く、賃貸としても好感度が高い。多くのヒトが借りたがる為、物件は高層のハウスで
大きいものになるだろう。高い家賃でも借りるヒトの為、間取りは広くなるだろう。
路地の奥は左右の物件に挟まれて日当たりや風通しが悪く、借りたがるヒトも少ないだろうが、予算的にやむをえない場合は
借りるヒトもいるだろう。家賃も安く設定するので物件は小さいものになるだろう。

そういった現代でも中世でも普遍的な土地建物に対する考え方をなしに、中世の街並みを考えていました。
これは夢の無い金銭的な考え方がいやだったというのもありますが、それなしに不動産は考えられません。
ただ中世風の建物を並べただけでは、倉庫街になってしまう、それがやっと判ったのでした。
そうやって下図のような街並みを考えました。
緑色が一番奥にある小さな区画に立つ建物、肌色が中ぐらいの建物、青色がカド地に建つ高い物件です。
なんとなくいい感じです。

上図は六軒が連なる中世の町並みです。
中世の建物はだいたいが長屋のように横につながって建てられていて
屋根裏づたいに各家庭めぐりが出来るような感じでした。
この正面向きは切り妻なので屋根はつながっていませんが、壁はつながっているようにしました。

ここではまず店舗兼住宅で見ていきたいと思います。

一階が店舗、二階が住居です。三階は倉庫になっています。
木造住宅なので、柱と桁、梁は木造になっていて、壁は漆喰(しっくい)です。
この壁は木で作った網垣(あみがき)に泥粘土をまんべんなく塗りつけ
その上に漆喰を塗っって仕上げたものです。
日本では近代まで使われていた方法です。日本では竹垣に泥粘土を塗って
その上に漆喰を塗ったものが多く用いられていました。
日本には竹が多く自生していた為です。

中世はまだガラスの精錬が未熟で窓ガラスはありませんでした。
ガラスが使われていたのは教会のステンドグラスぐらいだったようです。

建物の構造は木造にしっくい塗りの外壁を持つ一般的なタイプです。
屋根は石の平板か青銅のスレートびきでした。
建て方は正面向き(Gable:ガーブル)にしてみました。


こちらは一階は石作りで二階は木造のタイプです。三階は倉庫です。
一階が石作りなのは、おそらく最初は平屋の一階建ての石でできた家だったものが
増築の際に将来三〜六階建てにする為に二階以上を木造にしたのだと思います。
建坪面積は決まっているので、少しでも住居部分を大きくとろうと二階部分が道路に張り出しています。
これは石作りでは出来ません、木造ゆえの長所で、間取りも大きくとっています。
木造部分の梁や柱が一定のデザインになるように配置しました。


四階建てのおおきな建物です。一階は石つくりで二階以上は木造です。
こちらも二階、三階は道路に向けて大きく張り出しています。
間取りも相当に大きいです。四階の屋根裏も部屋になっています。
木造部分の梁や柱が一定のデザインになるように配置しました。
曲がった木材をデザインのように配置していますが、当時は植林の習慣が無く
曲がった木材も多かったので、それを上手く利用しています。
 
並べて配置してみました。

中世の街も現代の街と同じようにさまざまなデザインの家がぎっしりと建ち並び、安い土地にはそれなりの家が
高い土地には大富豪がデラックスな豪邸を建っているのでしょう。

例えば街には大抵中央広場があるのですが、それに面した建物は市庁舎や四〜六階建ての巨大商館等が軒を並べてたでしょうが
そうではない小さい広場では、小さい商店がそれなりに軒を並べた事でしょう。

街の雰囲気ですが、現代と同じように商店なども道路に棚や台を置いて、少しでもお客を呼び込む工夫をしたと思います。
コミケでもそうですが、お店の飾り付けをやって客寄せをしますよね?あれと同じでしょう。
建物だけでは殺風景ですが、活気ある商業の雑踏があれば、生活の雰囲気がでるでしょう。

これらの中世的な街並みは独逸などの森の多い、つまり木材の豊富な地域の建築様式です。石灰岩や大理石がよく採れる地域
(たとえば伊太利亜)などでは石作りが多くなります。